精神疾患

 

うちの家系はどうも精神疾患を患っている人に好かれるらしい。

 

面倒見がいいからのか、むげに拒否しないせいか、かなりこの手の病気を持った人が近づいてくる。

 

母は「ものみの塔」をやっていたせいで、かなりの精神疾患を持った方に慕われるようになった。

 

特に印象的なのが、「あつこさん」という方で、安田財閥のお嬢様だったらしい。子供のころ、100点を取らないと家に入れてもらえずかなり厳格な家庭で育てられたらしい。当時、50代だったと思うが「お父様、お母様」と呼んでいたし、すごい家に住んでいるにもかかわらず、格好はかなり見すぼらしく、マッチ売りの少女が太って、大人になって、赤い〇メガネをかけたような感じの人だった。結婚はしていたらしが、独り身の様でどうやって暮らしいているのはよくは知らない。

 

ものみの塔」(エホバの証人)は、グローバリストの世界戦略の一環で、キリスト教関係のカルト宗教ということになっているので、信者は毎週行われる集会という洗脳教育の場で人類愛を強調される。つまり、都合のいい解釈なのだが、弱いんものを助けろ!というものだ。上の人間は共産党と同じで言うだけで自分はやらない。教義というものは、自分で実践するものではなく周りの信者に守らせるものらしい。

 

そのため、真に純粋だった母はその教えを実践した。

 

あつこさんという頭のおかしなおばさんから毎朝6:30になると電話がかかってくる。あつこさんは厳密には信者ではなく信者候補なのだ。信者になるにはバプテスマという教義試験に合格した者だけが受けられる儀式を通過しなければならないのだが、あつこさんはこの儀式を通過できなかったらしい。頭がおっかしいからなのか、賢すぎて信者になると拘束事項がものすごいため体よく拒否していたのかはわからないが、ともかく集会には来ていた。

 

「きみこ姉妹いますか?」

電話を母に渡すと、

母はただ話を聞いていた。

10分ほど経つと電話が切れた。

 

「何の話ししてるの?」

 

「自分の話だけよ。一通り話し終えると収まるみたい。ああいう病気の人はこちらが何を言っても聞いてないからね。ただ話を聞いてあげてるの」

 

でかい家ならともなく、2kの小さな住宅供給公社の賃貸物件の一室である。黒電話が鳴り響くと家のどこにいても聞こえる。しかも朝の6:30である。

 

それも毎日。ほかの家族はたまったものではない。

あつこさんからのモーニングコールにたたき起こされる日々の中で中高生時代を過ごした。

 

どうも、この手の病気の人は自分をかまってくれる人を探し出す動物的嗅覚に優れている。本来なら、こういうことは、その宗教の指導者のところに電話して相談するのが筋なのだが、それは絶対しない。拒否されるからだ。

母は拒否しなかった。

 

自分からもそういうにおいがするようで、妻がすり寄ってきたのもそういうものが自分の中にあったからなのかもしれない。

 

たいてい、この病気の人は見えないものに対する感受性が強い。というか、病的であるある。幽霊が見えるとか、神がかっているとか、オカルト的な要素を持ち合わせているっことが多い。妻もその一人だ。

 

ゲンショウ先生という有名な霊能者の方を紹介されたとき、

「あなたの奥さんは霊の触媒体質です」とはっきり言われたことがある。

 

なので、普段の行動を観察していても、普通ではない行動が多々出てる。

 

例えば、エレベーターの止まる階のボタンを自分が下りる階以外に数か所、必ず押す。

次エレベーターを使う人に対するいやがらせである。毎回である。

 

また、マンションに設置されている二台のエレベーター、両方のボタンを押すと激怒する。こちらとしては、先に来た方に乗れば時間の節約になるためそうするのだが、自分がボタンを押して呼んだエレベーターに他人が待ち時間なく乗るのが我慢できないらしい。

 

何気なく観察していくと、おかしなところが多々見えてくる。

ところが、これは本当に心を開いた人にしか見せない光景なのである。

「お前なんか死んじまえ!そばから離れないでね!」

境界性人格障害は恐ろしい。

 

 

 

 

 

 

もうあそこには戻りたくない!

 

二度目のデートの約束。

 

東京駅で会うことにしました。

 

場所はお決まりの銀の鈴

 

平日の夕方の東京駅とは思えないほど、人はまばらでした。

 

約束の場所に着きました。

 

時計は、約束の時間5分前をさしていました。

 

(きっと来ない。これで終わりにしよう)

 

約束の時間になりました。

 

彼女は現れません。

1996年の事だから携帯電話などそれほど普及していなかったので連絡の取りようがないのです。

 

彼女、現れません。

 

15分経ちました。

 

もう、いいだろう。

 

さあ、帰ろう。

 

横須賀線のホームへ向かと、妙な看板が目に入りました。

 

銀の鈴」と書かれた案内板

 

今でもそうだが、銀の鈴はわかりにくい。

慣れていない人にとっては、広い東京駅構内で見つけるのは大変かもしれません。

 

そのまま、歩き続けてホーム入口へ向かう角を曲がりました。

 

えっ、、、、

 

その先にうろうろしている相変わらず薄着姿の背の高い女性が目に入りました。

 

「〇〇〇です。道間違えちゃった。」

 

なんかこれって偶然なのか、運命のいたずらなのか、ちょつと頭の中が混乱してしまいました。

 

 

彼女は当時、葛飾区に住んでいました。

そのことを考えてあまり帰宅に時間がかからない場所でご飯でも食べて返そうと思いました。

 

中央線乗り継ぎで錦糸町へ向かい、駅前の居酒屋で軽く夕食取りました。

そのまま帰るつもりで駅に向かったが、途中、ネオンがキラキラしているところがありました。

ゲームセンター

今と違ってアトラクション系のお菓子や巨大なぬいぐるみの取れるユーフォ―キャッチャーなどなく、小型のキャラクターグッズのぬいぐるみが多く、意外と簡単に取れました。

 

なので、ちょっと気晴らしに

 

「ちょっと、寄っていこうか」

 

と彼女にいいました。

 

ゲーセンの自動ドアが開きました。

 

 

中は、ゲーム機が醸し出す音楽の渦と、お金入れた時や景品を入れたときになる電子音が鳴り響き、騒々しいけどなんとなく居心地がいい。

 

店内をうろうろすると、見慣れないゲーム機が2台並んでいるのが見えました。

 

「相性診断」

 

会話の詰まったカップルの話題提供のようなアトラクションです。

 

もう一台はタロット占いのゲーム機。

 

ITもそれほど進んでいなかった当時としては、まだ珍しくちょつと興味がありました。

 

そうそう、まえにもこれやったことがある。大阪の彼女と梅田のゲーセンでやったやつです。

 

相性度70%

 

そのとき、出た数字だ。まあ、付き合っているんだからそんなもんだろう。

何らかの心理テスト的なもので、それほど信ぴょう性あるものではなさそうです。

 

同じゲーム機。

 

この、ちょっと変わったこの女との相性はどうなんだろう。

ちょっと興味がわきました。

 

この手のゲーム機はそれほど極端な数字をただき出すことはまずない。

だいたい、60~70%

よい時で80%前後。

あくまでアトラクションなので極端な数字をたたき出すようにはできていないようです。

あとは、言葉の魔術で煙に巻く。どうにでも取れるような表現で診断結果が出てくるのです。

 

「これやってみようか」

 

画面上に出てくる質問に二人で答えていく。

 

「月を見るならどこでみますか?」

1.砂浜 2 神社仏閣  3 崖の上  4 自宅のベランダ

 

 

などの質問が次々現れる

 

 

 

一通り質問の入力を終え、診断結果を待ちます。

 

相性が悪いと出れば、もうそろそろこの彼女とのデートはやめるつもりでした。

 

診断結果

 相性 98%  最高

 

 

何だこれ。まだ二回しか会っていないのに。

かなり焦った。なんだこれ。機械壊れてるんじゃない?

 

「これもやってみようよ」

 

隣のタロット占いのゲーム機にお金をいれる。

 

これはそんなに極端な数字は出てこないだろう。

 

二人でゲーム機の画面に現れるカードを指してオープンにしていく。

 

入力を終わり診断結果を待つ。

 

カップルの相性度

  96%

 

なにこれ。

 

マジ?脳裏をよぎりました。

 

ちょっと疲れてきたので、彼女を錦糸町の駅までおくり、すぐに家に帰りました。

 

次のデートの約束をして。

 

どうなるんだろうろう。

 

つづく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねえちゃん、ホテル行こうよ」

 

外へ出た。

 

出会った時間が21時.いると思わなかったので遅めの時間を設定していました。

 

今、時計は0時すぎを差しています。

 

当然モノレールはすでに終了。

 

タクシーで新橋の駅まで行けば、終電に間に合うかもしれませんでした。

 

大通りに出て、タクシーを止めます。

 

なかなか、タクシーを捕まえることができません。

それに雨まで振り出す始末。

傘もっていません。

最悪。

 

ビルの軒下に彼女を置き、お踊りで必死にタクシーを止めます。

もちろん、ずぶ濡れ。

 

ずぶ濡れになりながらなんとかタクシーを止めます。

 

彼女が濡れないようにコートで覆い、駆け足でタクシーに飛び込みます

 

「新橋駅までお願いします。」

 

当時はスマホのような便利なものはありませんでしたので、すぐに終電の時間を調べるなんてできません。実際駅に行ってみないと正確な時間を知ることはできなかったのです。

 

タクシーが新橋の駅に着き、駆け足で駅の改札まで。

 

「すでに山手線、京浜東北線ともに終了しております。」

 

駅員が答えた。

 

これじゃどうしようもない。

 

ルノアールで始発まで待つしかないな。(ルノアールは24時間営業でした。ルノアールというのは喫茶店です。学生時代よくお世話になったものです)

 

近くのルノアール探します。

外は雨です。

そんな時、ふとある看板が目に留まりました。

 

ミスタードーナッツ

 

ここも24hです。

 

駅から近いし、ここで夜を明かすことにしました。

 

雨の中、店内に駆け込みます。

 

意外と店内は混雑していていて、開いている席がありません。

こんな時間だというのに、どうしてこんなに人がたくさんいるんだ?

仕方がない、外は雨だし、あくまで待つしかない。

ドーナツが並べあるカウンター前と移動していた時、

「あたし、ドーナツたべたい」

「いいよ。なににする?」

 

何も買わずに店内にいるわけにもいかないので、当然何か購入しようとは思っていました。ところが、時間も時間だけに売り切れているものが多く陳列カウンターには数えるほどしかドーナツがありませんでした。

 

「わたし、ハニーディップがいい」

ハニーディップかい。すいません、ハニーディップ二つとコーヒー二杯ください」

「あいにく、ハニーディップは売り切れでございます」

 

よく見るとハニーディップと書かれたプレートの上には何も載っていません。

 

「ハニーディディップ、売り切れだって。今あるのは、、、、、」

「私は、ハニーディップがいいの。ハニーディップ!!ハニーディップ!!!ハニーディップ!!!!

 

彼女の大声が店内をコダマします。

 

客全員がこちらを見ます。冷たい視線です。

 

彼女は何とも思っていないようです。

 

これはたまらんと思い、ハニーディップを連呼し続ける彼女の手を引き、雨の中に逆戻り。外でも、またハニーディップを連呼しています。通行人の冷たい視線。

 

ハニーディップが食べたいの!」

 

向かい側に雨のしのげるところがあったので、手を引っ張っていって、そこまでダッシュ

 

彼女を置いて、

「分かったから。ハニーディップかってくるから、ちょっと待ってて」

 

そういって、店内に戻るとハニーディップの横に置いてあった普通のドーナツを二つ買い、袋に入れてもらい彼女のもとへ。

 

ハニーディップ買ってきたよ」

 

彼女は暗がりで手元の良く見えない中、袋に手を突っ込みドーナツをつかんで食べ始めます。こういう時、暗がりって便利なのよね。

 

 

 

「この雨じゃどうしようもないから、コンビニで傘買ってくる」

 

そういって、雨の中コンビニを探しに駆け回ります。

 

やっと一軒のファミリーマートを見つけ、ビニール傘を買います。

このままでで、どこかお店に入るとまた大騒ぎする可能性があったのでどこか近くで泊まれるシティホテルを探すことにしました。電話ボックスに駆け込み、電話帳をめくります。ホテルの項目で近くのホテルに電話をします。安いところはほとんどが満室かチョーお高い料金。新橋がダメなら近くの駅周辺はと思い、銀座とかは無理なので、お茶の水や神保町方面で探すことしました。官庁街にはホテル少ないので。

お茶の水のビジネスホテルに電話すると、

「空室御座います。セミダブルで料金は4500円です」

 

これならいける。

 

そう思い、予約を完了し彼女のもとへ戻る

 

先ほども書いたが、厳格なキリスト教の家で育ったため、婚前交渉は絶対にダメ。この規律を破ると「排斥」といってその宗教グループから追い出される。その宗教グループでの信仰の要は神から永遠の命をもらえるということ(いま考えればバカバカしいが、カルトの洗脳にはまると本当に信じてしまう)から絶たれるのである。これが最も恐ろしいことで、「排斥」は死刑宣告なのである。だから、当時30代独身で、童貞でした。

 

ラブホテルを選ばなかった理由はここにあります。

 

ビニール傘をさしながら、彼女のところへ急ぎます。

 

彼女が立っている暗がりに男がいます。

どうも動きがおかしい。

背の高い彼女のお尻を撫でているようです。

ち、痴漢?

 

「ねえちゃん、ホテル行こうよ」

彼女は割りばしのような長い指でドーナツをつまんで食べています。

透明人間みたいな感じです。表情には感情というものが全くありません。

「ねえちゃん、ホテル行こうよ。すぐそこ、ラブホテルたくさんあるからさ」

彼女は、ひたすらドーナツを食べています。

男は小男で彼女より背が低く、50代前後の眼鏡。

ちょっとくたびれたサラリーマン風で、しつこく彼女に迫っています。

もちろん、お尻をなでなでしながら。

 

普通の女性なら、声をあげるとか手を振り払うとか、嫌がるそぶりを見せるのが普通なのにそういうことは全くない。ただひたすらドーナツを食べている。おじさんがまるで幽霊であるかのように。この女の人、なんかちょっと人と違う。

 

「おまたせ。濡れた?」

 

「なんだ。男がいるのか」

そういうとおじさんは去っていきました。

 

駅前でタクシーを拾うと、お茶の水のホテルまで雨中移動。

 

ホテルでチェックインを済ませ、入室したのが午前三時近く。

始発が5時なので、2時間くらい過ごせばいい計算。

 

疲労困憊で、タイマーをセットしてそのまま床にバタンキュー。

その時、彼女がどうしていたか全く覚えていません。

 

けたたましいタイマーの音で目が覚め、ベットの彼女を起こし、

 

「今日仕事なんだろう。さあ帰ろう」

 

そのまま、ホテルを出てJRで東京駅へ。

 

別れ際に彼女が言った言葉

 

「昨日たくさんお金使ったでしょ。はい。」

 

渡されたのは5000円。

まあ、気持ちなんだろうなあ。

それとも、完全におごってもらうことに対する拒否感か。

 

「傘、もらっていくね。また会える」

 

(もう勘弁してください。)

 

 

これが、最初のデートです。

 

 

つづく

 

 

 

 

 

こうするとおいしいのよ!

 

カンパリソーダを連呼する彼女を引っ張るようにして店を出て、

 

「じゃ、カンパリソーダ飲めるところいくから。落ち着いて。」

 

こんなこともあるだろうと思い?お店のチョイスは何点か事前に調べていた。

 

「すぐ近くだからね。ちょっと我慢してね」

 

こんなこともあるかもしれないと、向かいにある第一ホテル東京ベイ(現シーフォート)の最上階あるバーを選んでいた。ホテルのバーならほとんどなんでもあるし、おなかが空いたら食事もとれるからでだ。お値段はちょっと高いのだが、、、

 

「すみません。ここではカンパリソーダ飲めますか?」

「はい。ご用意できます」

「では、お願いします。」

「こちらへどうぞ。」

 

バーカウンターが脇の、東京湾が一望できる二人用のテーブル席に通された。

 

ホテルのバーはそれなりの雰囲気で、当時はやりのベイフロントということもあり景色も抜群だし、まさに大人の世界。いい感じです。ピアノが奏でる生演奏のジャズもいい。

 

「ご注文は何になさいますか?」

 

ウエイターが注文取りに来た。

 

カンパリソーダでいいよね。」

 

「うん。カンパリソーダマティーニマルガリータヘネシーの水割ください。」

「かしこまりました。」

 

「一度にそんなに飲めるの(困)、、、、」

「大丈夫。大丈夫。持ってきてちょうだい」

 

一度にカクテル四杯も頼んだことはこれまでないし、女性の方からいきなり四杯一度に持ってきてなんていわれることは初めてです。たぶんほとんどの方はこんな経験しないでしょう。

 

バーテンが自ら確認に席までやってきた。

「お客様。ご注文の四品。一度におつくりして本当に大丈夫でしょうか?一度に四杯も頼まれるお客様は初めてですので。」

 

「大丈夫。大丈夫。持ってきてちょうだい。」

 

。。これ一体いくらするんだろう、、、、ここホテルのバーだし、、、

 

「私、おなか減った。何か食べていい?メニュー下さい」

「かしこまりました。」

 

メニューを見ながら、彼女が注文した。

 

「この黒アワビの特大ステーキください。」

 

、、、と、と、特大?、、、、時価、、、、、、これいくら(恐怖)

 

この女いったい何?

まあ、普通の男なら、ちょっと高くへ払えないからもっと安いものにしようよと正直に言うか、あまりの非常識さにあきれて席をけって帰るか、まあ、どちらかだろう。

 

あまりの出来事に呆然としてしまい、完全に意識が飛んでいました。

 

カクテルがずらりとテーブルの上に並びます。

 

「すみません。タバスコ持ってきてきください」

 

タ、タ、タバスコ?いったい何に使うの?

 

「こうするとおいしいのよ。」

 

ウエイターが持ってきたタバスコを手に取るや、蓋を開け、目の前のカクテルの中にジャンジャン注ぎ始めた。

 

お酒にタバスコ?

 

入れるは入れるは、、、その量尋常じゃない。

 

「こうするとおいしいのよ。」

今度は、僕の頼んだスクリュードライバー(一番安かった)のグラスと取ると、その中にタバスコを注ぎ始めた。

 

・・・・・ちょつと飲めない、、、

 

そう思ったとき、アワビのステーキが来た。

 

「おいしい!」

 

そらそうだろうよ。これいくらなんだろう。

 

食べないの?食べないならもらっていい?

 

自分の分をペロッと平らげるとこういった。

 

のど通るわけないだろう、、、、

 

彼女はひたすらアワビを食べ続け、酒を飲みいい気分のようだ。

 

早く家に帰ろう。そう思った。

 

彼女が食べ終わり、カクテル四杯をからにした後、

 

「もう遅いから、帰ろうか」

 

「じゃ、トイレ行ってくる」

 

早く帰りたい一心で会計を頼む。

 

「こちらでございます」

 

20万、20万、20万、、、、

 

金額が頭の中でコダマしていた。

 こんなに現金持っているわけがない。

 

「カードでいいですか」

「かしこまりました。」

 

一か月の給料がこれで飛んだ。

 

まだまだ、終わりません。

 

三発目が来ます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラピュタではカンパリソーダは飲めません

 

水曜日の約束をし、つぎの木曜日に会う約束。

たぶん、来ないだろうな。

と思いつつも、何となく気になりつつも木曜日の仕事終えると勝手に足が、約束の駅の方へ向いていました。

約束の場所までは横須賀線で小一時間、仕事場まではバイクで通っていたため、バイクを駅に置いて(当時はバイクの駐車はあまりうるさくありませんでした)、白と青のストライプの列車に乗り込みました。

 

対面座席の右側から見えるトンネルのはざまに光る町の灯。

車窓の風景を見ながら、前の彼女と事を思い出していました。

今の場所に引っ越してくる5年前、埼玉の片田舎に療養を兼ねて住んでいました。

それは、生まれた家のキリスト教信仰故、引き裂かれた前の彼女との心の傷を癒すためでした。厳格なカルト・キリスト教の家に生まれてこのかた、子供のころから強制的に、洗脳による独自解釈の「集会」や「奉仕」といった活動に携わり育った日々。日本人であることよりアイデンティティ無私のグローバリズムの落とし子のような「神の民」としての育つことを強制されつづけた子供時代。絶えず「永遠の命」がもらえると教え込まれ、その幻想を逃すまいと必死になり、神の民として生きるその人生こそが本来の人間の姿であり、必要とされる行儀に沿った人生選択、例えば、大学教育否定、柔道の授業拒否、君が代拒否などをするように促される。その組織の中では長老という一種のカリスマが支配し、全世界的組織の末端部分・「会衆」とよばれるコミュニティの中で名声を得るような行為が推奨され、それ以外の生き方は許されない。その規範に従えないものは徐々に居場所がなくなり、その宗派の人間以外との交友は基本的に禁じられているため仕事以外の社会や信者でない親兄弟・親族からは徐々に離れていくとことになる。最終的に「会衆」に居場所がなくなと、周りからすべて切り離された孤独な人生しか残っていないという状態なる。そのため、一度入信してしまうと、この孤独感、疎外感化からの恐怖故何としてでもこの宗教にしがみつこうとする人が出てくる。心と体がバラバラになり、やがて、多くの信者が鬱病になっていく、、、、。

 

教義に反したということで糾弾された元カノは、その会衆で指導にあった長老の吉田某という男に手籠めにされ、その男と結婚し、43歳の時自殺することになる、、、、、

 

そんなことを考えているうちに、列車は葛飾区のとある駅に着いた。

 

列車から降りると、2月の風はまだ冷たかった。

 

そのまま、改札口へ向かう。

とても階段が長く感じられた。

 

多分、居ないだろうな。

テレクラだもんな。

やらせに決まってる。

 

いなかったらすぐ帰ろう。

 

改札口は、帰宅する人で結構混雑していた。

 

人をかき分けながら、改札口へ。

 

改札を出たところにキヨスクが一軒あった。

 

その横に、一人立っている人がいた。

かなり薄手の茶色のブラス、薄手のジャケットに短めのパンツ。

背の高い人だった。

 

「〇〇〇さん、ですか?」

「そうだけど。」

 

本当にいた。

 

ちょっと、びっくり。

あんな出会い方で、本当に会えるとは思わなかった。

 

それに冬の服装ではない彼女に二度びっくり。

 

「軽くどこか行きませんか?」

「いいよ」

 

最初のデートはこんな風にはじまった。

 

 

バブル期に大学生をやっていた名残で、デートの仕方は自然に身についていました。

まずは下調べして、デートのコースを決める。下見も重要です。

行く地域を決めたら、移動手段だけでなく車窓からの風景やたどりつくまでに目に入るもの、店の雰囲気、もし気に入らなからった次の店候補をいくつか選んでみておく。

デート中の会話の準備。例えば、ギャクのネタやジョーク、最新の音楽の情報、はやりのファッションブランドやちまたで有名なスウィーツなど。本屋の立ち読みで女性向けの雑誌を一通りチェック。大体こんな感じで準備します。

 

最初に選んだ店は、当時話題になっていたモノレール駅直結型のウォーターフロントエリアにありました。

地上30階で、夜景もきれい。

デザイナーズレストランで、ファッショナブルな内装。

テーマが「天空の城ラピュタ」を意識したアミューズメントプレイス。

当時はまだこういうタイプのレストランは珍しく、予約がなかなか取れないというおまけつき。

 

こいうところなら、会話が途切れても間が持てるしちょっと話して別れるくらいならちょうどいいかなあって思ってました。

 

行っては入れないと困るので、ダメもとで一応予約は入れていました。予約も前日でしたが、カウンター二席くらいならどうにかなりました。

 

 

ラピュタへの長い長いエレベーターに乗りました。

彼女は、背が高くスタイルもいい。

髪型も言った通り、アメリカ人女優のキムベイシンガーみたいにふわふわの髪の毛でした。ちょっと茶髪ポカったけど。顔は不二家のペコちゃんそっくりです。ペコちゃんの頭にモデル体型がくっついている感じで、ちょっと不釣り合いな感じがしました。

 

初めてです。初デートでキスしたのは。しかもエレベーターの中で。

 

エレベーターは30階に着き、二人で店に入りました。

 

「予約の◇◇ですが」

「お待ちしておりました。こちらへどうぞ」

 

二人で席に着きまた。

まるで空中に浮かんでいるかのようなバーカウンターはスカイブルーを基調とした色使いで、ブルーの背景の中に様々なワインが浮かんでいます。店には高級感と非日常空間の中でおしゃれなカップルが夜景を楽しみながらデートを楽しんでいます。

 

「何飲む?」

「私、カンパリソーダがいい」

カンパリソーダだね。」

 

バーテンをよび、注文を伝えると

 

「申し訳ございません。当店ではカンパリソーダは置いておりません」

という答え。

 

カンパリないって。何か別のものにしない?」

 

 

「私はカンパリソーダがいいの!カンパリソーダカンパリソーダ

 

大声だ叫んだその声が店中をコダマしました。

客が一斉にこちらを見ます。

 

「おいてないんだから、しょうがないじゃん。別のものにしようよ」

 

カンパリソーダカンパリソーダカンパリソーダ

 

ますます声が大きくなります。

顔だけ子供でモデルのような外見とは異なり、かなり無茶なことを言います。

 

結構、びっくりしました。まさかいきなり、カンパリソーダを連呼するとは思いませんでした。

 

「わかった。わかったから。カンパリ飲めるとこ行こう」

 

 

そういって、すぐ店を出ました。

 

この後、再び悲劇が襲います。

 

つづく

最初のデート代・20万円

 

妻のとの出会いは、アジの開きを買いに行ったことがきっかけでした。

 

たまたま、新鮮な魚介類が手に入る地域に住んでいたのでふらふらと商店街をうろうろしていました。

 

当時、付き合っていた彼女はいたのですが、遠距離恋愛だったので年に数回しか会うことができず、厳格なキリスト教の家庭で育ったので制限が多く、同じキリスト教の宗派の人間でなければ結婚は許されないという家庭環境の中で、家族からその彼女との恋愛は反対されていました。できれば、結婚したいとも考えていましたが、障害が多々あり、多くのストレスを抱え込んでいました。もともと、性格的に子供好きで面倒見のいいこともあり、早く結婚して子供のいる家庭を持ちたいともっていました。

 

そんな中、孤独の極みでアジの開きを買いに行ったわけですが、商店街の中にちょっと場違いなネオンがチカチカしている看板がありました。(なぜアジの開きなのか突っ込まれてると困ります(汗))

何だろうと持つて前に行ってみると、「テレホンクラブ」と書かれていました。

家族が入信していたキリスト教では、婚前交渉はもちろん、マスターベーションまで禁止という厳格で、風俗関係の店に関する知識は皆無でした。

 

なのでなんだかわかりませんでしたが、寂しいこともあり、店の人に話を聞いてみることにしました。

 

「このお店は何なんですか?」

「一般女性から電話がかかってくるので、お話してもらう機会を提供するお店です。」

「話をするだけでいいんですか\?」

「あとは、お客様次第です。その後どうされるかは、お相手とのお話の成り行きです」

「よくわからないのですが、ナンパするのが目的ですか?」

「お客様次第です」

 

結局その時は、よくわからなかったがのですが、好奇心もあり、店の中に女性がいるわけでもないし、電話で話をするくらいなら気分転換になるかな、という軽い気持ちで店に入りました。

 

部屋に通されると、そこは電話ボックスをいす席にしたような小さな空間で、目の前の棚には電話が一台、その前柄にソファ。これだけです。

 

「女性から電話がかかってきますので、受話器を取ってお話しください。他のお客様も同じ回線を使われておりますので、早くとらないとつながりません。ご了承ください。」

「早い者勝ちっていうことですか。」

「そういうことになります」

 

席に腰かけると、すぐに電話が鳴りだしました。

慌てて受話器を取り上げたのですが、話し中のプープープー。

また、受話器を置いて、しばらくすると電話が鳴りだしました。

すぐに受話器を取り上げたのですが、またもやプープープー。

何度やってもプープープー。

小一時間が過ぎてしまいました。

 

結局、何も話せず時間切れ。

 

料金を払い、帰ろうとすると店長らしき中国人から声を掛けられました。

「延長くれるなら、話だいじょぶ、できる、私する」

 

誰とも話ができなかったので、気分も滅入っていたため、店長の言葉を信じることにしました。

 

再び、元の部屋に戻りソファの前に座りました。

しばらくすると、また電話が鳴ります。

受話器を取り上げてみる。

「もしもし」

女性の声、しかも若い女性。

「もしもし、はじめまして」

「もしもし、そこどこ?」

「〇〇だよ、そっちは?」

「✖✖だよ。遠いね」

「電車なら、一時間かからないけど」

「あっそ。会う?」

「まだ名前も聞いてないなし。」

「〇〇〇」

「〇〇〇さんって呼べばいい?」

「〇〇〇でいい。で、会う?」

 

かなり頭の中が混乱しています。初対面(話)の女性からいきなり「会う?」なんて言われたこともなければ、しゃべりがまるで千歳飴をなめているような粘っこいしゃべり方だったので、ちゃんとした人なのかどうか???マークが宙に浮かんでいます。

 

「会わないんだったら電話切るよ」

「分かった,分かった。何時がいい?」

 

その日は、水曜日で平日だったのですが時間も時間だったので、次の日の木曜日ということになりました。

「じゃ、▽▽の駅に着て。改札で待ってるから」

「どうやって見分けたらいい?僕は紺のスーツで行くけど」

「アルファキュービックの服着てるから。じゃ改札で」

「ちょっと待ってよ。身長とか髪型とかわかる範囲で教えて」

「身長は175cmで髪型はキム・ベイシンガーみたいにふわふわってしてる」

「ちょつとわからないけど、改札にいる人に声かけるから」

 

 

こんな調子で初デートの約束が決まりました。

 

帰り際に、店長さんから

「いい子と話できたでしょ。また来てくださいね」

 

あとで、これは店側の「やらせ」だと気づくのですが、、、、

 

ただこの後のデート、大変なことになります。

 

つづく

 

 

 

 

 

 

境界性人格障害の女性の特徴

 

あくまで主観です。

 

これまで、妻と同じような特徴を持った女性にはあと二人ほどであったことがあります。妻の事で後々、境界性人格障害にくわしい弁護士さんに相談に行くことになるのですが、その時聞いた話も含めて以下の通りです。

 

1 めちゃくちゃ美人、あるいはかわいい子がおおい

  憶測ですが、俳優の高島正伸さんの前妻もこの症状を持っていたと思われます。

 

2 友達がいない

  いつスイッチが入るかわからないので濃密な人間関係になると、すぐにそれを破壊してしまいます。

  前回も両親とのことを書きましたが、職場でも同じことをします。なので、仕事が長続きしません。

 

3 一見、控えめで、すなお、おとなしい。いい人に見られやすい。外見上は。

 これが曲者です。利害関係のある人の前では、いつでもベールをかぶって登場します。

 

4 笑顔がかわいい

 これも仮面です。本性が出てくると悪魔のような形相になります。

 

5 透明人間のよう。

 どことなく、幽霊のような存在感です。美人で背も高くスタイルもいいとなると存在感があるはずなのですが、どことなく違和感が残ります。

 

6 人から見られることを極端に嫌う

 ふつう、女性は異性の目を気にして女らしく振舞うことが多いようです。

 妻の場合、カフェなどとで隣の人などにちら見されると「何見てんだよ」と罵声を浴びせたり、テーブルを叩いたり、大きな音を立てテーブルをけって出て行ってしまいます。

 

7 高校時代、無遅刻、無欠席。制服とパジャマとジャージしか着たことない。

  めちゃくちゃ優等生にみられますよね。だから、東証一部上場企業に一発で合格したのですが、1年半持ちませんでした。自分から辞めるといえず、母親がしゃしゃり出て行って上司と掛け合い辞めさせたそうです。

 

8 人前で恥ずかしい部分が見えても平気

 冗談で交じりに「黒乳首」という言葉が出たときスイッチが入り、

「私は、ほかの女みたいに黒乳首じゃない。見せてやる!」といって、街中で多くの人がいるまで乳房を露出させてしまいました。

 

まだありますが、おいおい書き加えたいと思います。